桃の節句の長寿や厄除けの意味から、女の子の幸せを願う心を表現して製作しました。
桃の節句に水辺で身を清める習慣があったことから、縦絣の柄は水が流れる様子を意味しています。
桃の花はたくさん採集できないため、万葉歌の桃の色を菊で染色して再現しました。

万葉歌

桃花褐(つきそめ)の浅らの衣浅らかに思ひて妹に逢はむものかも
桃の色に染めた薄い色の着物のように薄っぺらな気持ちで
あなたに会ったりはしないのですよ。

この歌にある「桃花褐」とは、桃の花を使った淡い赤色の染め物を言い
鳥のトキ(古名ツキ)の色になぞらえた名前であったといいます。
「浅い心」のたとえに用いられていますから
当時はとても淡い色を指していたとみられます。

この記事を書いた人