雪雫
歌川芳玉画 見立松竹梅の内 うゑ木売りの梅(写真①)の美人画を元に製作しました。
万葉集に詠まれている梅は白梅であり、雪と一緒に詠まれている歌が目立ちます。
初春に咲く梅を雪の雫に例えて輝いて咲いているさまを題名にしました。
万葉歌
正月立ち 春の来らば かくしこそ 梅を招きつつ 楽しみ終へめ
正月になって春がやってきたらこうやって梅を見ながら楽しみましょうよ。
この歌は、大伴旅人の邸宅で詠んだ梅の歌三十二首の最初の歌です。
これらの歌に先立って、令和の出典である序文が漢文で記載されています。
初春の令月(れいげつ)にして 気淑(きよ)く風和(やわら)ぎ
梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き
蘭は珮後(はいご)の香を薫(かお)らす
初春のめでたい雰囲気が漂う。風も穏やかで和やかな気分である。
梅の花は女人の鏡前の白粉のように美しく
蘭は腰に珮いた香袋のように良い香りがしている。