あかねさす紫の花
表題は、万葉集にある額田王女が大海人皇子に贈った歌からつけました。
1300年前から大変貴重で高貴な色を出す紫根。御用地である蒲生野での薬狩りの風景(写真①)を
思い浮かべて製作しました。首里花織でムラサキ草をデザインしています。
万葉歌
あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る
美しい茜色に照り映える紫野を行きつ戻りつしながら袖を振るあなた。
そんなにあからさまに振ると標野の番人に見つかってしまいますよ。
天智天皇が蒲生野で遊猟を催され、女性は紫草を
男性は鹿の袋角を採集する薬狩りをしたあとの宴会酒席の歌です。
額田王女は大海人皇子と元恋人であり、今は天智天皇の妻。
二人の歌には過ぎ去りし想いを胸に秘め、大海人皇子の返歌には
齢四十前後の額田王女を今なお茜色に輝き、紫のように麗しいと
褒め称えています。